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2022年度 第3回 干潟観察会

場所は、太田川放水路の左岸で、新己斐橋と旭橋の中間地点に集合してもらいました。この場所は、塩生植物のハマヒルガオの群落があり、5月初旬には可憐な花をたくさんつけているところを見ることができますが、あいにくこの日は花期が終わっていました。
ここには希少種ハクセンシオマネキがたくさん生息しているので独特のハサミ振り運動を見てもらいたいからです。参加者が大挙して干潟に進むため、先頭の人は見ることができますが、後部の人は、カニが巣穴に逃げ込んでしまっていてまったく見られません。そこで、やや下流に移動し、岸辺からの観察に切り替えました。これが功を奏し、オスが大きい方のハサミを振ってメスを一生懸命に誘い、その甲斐あって自分の巣穴にメスを誘い込むのに成功した様子を多くの方がしっかりと観察できました。また、一か所に5,6匹のオスが見られ、その周囲に数匹のメスがいて、そのメスをめぐってオス同士の威嚇、取っ組み合いなど、飽きないほどいろいろと見せてくれました。

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さらに下流に下り、こんどは希少種スナガニの営巣地へ案内しました。ここではスナガニの巣穴が少なく見積もっても200個ほどはあり、さっそく掘り出してみました。くりくりとした目を突き出してみつめる愛嬌のある姿に、みなさん感動。その割には予想外に脚が速く、そのギャップを目の当たりにしました。
一方で、全国的に絶滅危惧に瀕しているウミニナ(巻貝)が、なぜかここ太田川では普通に見られることなど、興味深いこともお伝えし、自然への愛着をもっていただくことに、いくらか貢献したと思われます。

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