2020年度 第6回 干潟観察会
▶︎実施日:9月20日(日)16:00~17:30
▶︎ところ:広島市京橋川 神田橋南詰め下流のアシ原
▶︎実施内容:
今回の実施場所は、広島デルタでもっとも昔の面影を残すポイントであり、都心では珍しい広大な泥干潟とアシ原が発達しています。この自然度の高い場所でここに生息する生き物を探しました。
▶︎参加者数
計60名
(未就学児:11名 /小学生:22名 /中学生:3名 /成人:24名 ※内、指導員:1名 / 指導補助:3名/ スタッフ:2名)
(注)コロナ禍での実施となりましたが、開会式や観察会の最中も三密を避け、マスクの配布・着用を徹底するなどして感染拡大防止への対策は万全の状態で行いました。
今年度最後の観察会でしたが、皆様奮ってご参加くださいましてありがとうございました!
今回の観察会の実施場所は、河川の蛇行の内側であり、しかも岸辺が宅地や道路でなく公園となっているため、
今まで強固な護岸工事が見送られて続けてきたポイントです。
そのため、泥がたまって自然護岸となっており、そこにアシ原が発達しています。
目を凝らして土の表面を見渡すと、チゴガニのハサミ振りダンスを目撃!
この時期になると、オスの胸に青く輝いていた婚姻色は褪せていて派手さは無いです。
それでもって、ハサミ振りも真夏のころほどは盛んではありません。
こういった小さなところにも季節の移ろいが感じられ、感慨深いですね。
子どもたちは待ちきれずスコップで穴を掘り始めます。アシハラガニ、クロベンケイガニが次々と見つかります。
「おった、おった!」 「このカニ、でかっ!」 「キャー、はさまれた!」
子供たちが新鮮な体験ができていることを、肌で感じられる歓声が聞けることがとても嬉しいですね。
カニの研究で全国的な賞を受賞した中学生3名が、解説に加わり、
「これはアカテガニです。小さい時は必ずしもハサミが赤いとは限らず背中にニコちゃんマークがあるのが特徴です。」
などと保護者や子どもたちに話しかけていました。
しばらくして泥干潟を後にしてアシ原の方に向かいます。
刈り取られたアシが無造作に倒されているところをめくると、
無数のアカテガニ、クロベンケイガニがカサコソと逃げ回ります。
子どもたちは我先にと飛びつき、軍手をはめた手でつかみます。
はさみの先にマニュキアを塗ったようなユビアカベンケイガニも見つかりました。
その後、広島市内で2か所しかないヒトハリザトウムシの集団営巣場所へと案内しました。
懐中電灯で照らされた奥には、絶滅が危惧されているこの虫が、何百匹も集まってねぐらを作っていました。
観察を終えた人から順に観察会を無事終えました。
いろいろな珍しい生き物に触れたり、ワイルドな探検の要素もあったり、充実した数時間を過ごすことができました。
崩れたり、すき間だらけだったり、大木の大きな根がむき出しになっていたりする川岸は、
ちょっと近づきたくない雰囲気ですが、豊かな生きもの達のすみかを提供していることを感じていただけたと思います。