2021年度 第6回 干潟観察会
広島干潟生物研究会主催の「第4回干潟観察会」は江田島市の荒代海岸で行われました。
たくさんの人数が集まることができ、なおかつ山が迫った自然度の高い海岸です。
毎年ここをウミホタル観察会の場所に指定しています。
これまでの参加者数は120名前後でしたが、今年は他のイベントが中止となっていたからか、あるいは自然に触れあいたいという思いがことの他強かったのか、174名という大所帯になりました。
この観察会では、ウミホタルを採取するトラップを自分で作ってきてもらいます。コーヒーのビンのふたに直径5ミリメートルほどの穴をたくさん空け、長いひもをくくり、さらには、エサも自分なりに工夫して持ってきていただくのです。中には、10個も作ってきた人もいました。
こんなにハードルが高いのに、年々参加者が増えてきているのが不思議です。
まず、オリエンテーションで、安全上の注意をお願いしました。その後桟橋に進み、思い思いにトラップを海底に沈めてもらいます。これで30分ほど放置しますが、その間に砂浜に移動して浜辺の生きものを観察します。
途中、アカテガニがたくさん山から下ってきており、崖や岩場に点々とみられました。頃合いをみて、水際まで降り、からだを揺すってお腹に抱えたゾエア幼生を放出しますが、あいにくその瞬間は見られませんでした。
浜では、夜行性のスナガニがたくさん出歩いていました。逃げアシが速いので、こどもたちはキャーキャー言って追いかけています。打ち上げゴミをひっくり返すと、やはり夜行性のハマダンゴムシがのそのそと出てきます。普段見られるオカダンゴムシの1.5倍ほどありますので迫力がありますが、色白でかわいい感じです。
40分ほど散策したのち、もとの桟橋に戻ります。気の早い人はさっさとトラップを引き上げて、きゃーキャー言っています。
実はウミホタルは刺激を与えないと光らないので、何も採れなかったとがっかりしている人も見受けられましたが、よくよく見つめると、瓶の中でミジンコのようなものがわんわん泳ぎ回っています。
「へー、これがウミホタルですか。光っていないですねえ。」ということで、採れた中身すべて海面に放り投げると、一面が満点の星の中の天の川のように光り、「キャー」という感動の声が上がりました。
おそらく、多くの方に、新たな自然に対する認識をもっていただいたこととおもいます。